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2021/04/21その他

第66回入学式 式辞

 第66回入学式における校長の式辞を公開いたします。

 

式  辞

 

 本日ここに、第66回入学式を挙行するにあたり、PTA・後援会の両会長、また、学校法人北海道科学大学の苫米地理事長・髙島常務理事のご臨席を賜りました。コロナウイルス感染対策として、来賓の人数制限と、保護者の皆様にもお一人の参加とさせていただきましたが、ご理解とご協力をいただき、心より感謝申し上げます。

 新入生368名の本校への入学を許可するとともに、保護者の皆様にも心からのお祝いと、本校を入学先として選んで頂いたことに感謝を申し上げます。青木学年主任をはじめ11名の一学年担任団はもちろんのこと、本校のすべての教職員や先輩達もこの日を心待ちにしていました。5日のオリエンテーションにも入学生全員が参加してくれました。入学式の練習として礼法の確認をしましたが、担当教員がダメ出しをする余地がありませんでした。大変素晴らしい生徒が集まってくれたと喜んでいます。

 本校は1956年に開校し、今年で66年目を迎え、更に、北海道科学大学を中核とする学校法人は3年後に百周年を迎えようとしています。まさに、北海道における私学教育の中核の一つとして歴史を積み重ねてきました。2023年4月、本校は手稲前田に校舎を新築し、新たな歴史をスタートさせます。新しくなるのは校舎だけではありません。教育内容も方法も、時代の変化を見据えつつ、様々な改善を行っています。高校と大学が一体となって、生徒の日々の学びを豊かなものとし、何よりも進路選択とその実現のために多様で継続的な取組を提供します。そうした本校でしか出来ない取組に積極的に挑戦してほしいと願っています。

 昨年はコロナで大変な1年間となりました。中学校の卒業式を複雑な気持ちで迎えた人も多かったでしょう。保護者の皆様も、受験生を抱える親として、様々な不安と悩みを抱えられたと思います。春休み中のある日、講習や部活動に来ていた生徒達に声をかけました。「春休みどうだ」と聞くと、「バッチリです」という返事が返ってきました。「ずっと春休みが続いてほしい?」と聞くと、「それはもういいです。学校に来たいです。授業も受けたいです。」と彼らは笑顔で応えました。昨年の春を思い出したのでしょう。シンプルな言葉ですが、コロナ禍を経た生徒達の本音であり、こうした生徒の気持ちに確実に応えられる学校であり続けたいと改めて思いました。残念ながらコロナの状況は予断を許しません。しかし、最善の対策を講じながらも、リスクを恐れず行動することも必要であると考えます。昨年も、部活動の各種大会や学校行事の中止が続く中で、担当者の熱意と周到な準備によって、修学旅行・体育大会や芸術鑑賞は実施できました。結果論かもしれませんが、生徒達の沢山の笑顔を見たり感想を聞き、報われた気持ちでおります。今年度も困難な判断を要する事態が来るかもしれません。発想の基本は、「どうやったら出来るか?」です。その、「どうやったら」に、生徒や保護者の皆さんの声を反映し、みんなの力で乗り越えていきたいと願っております。生徒達の学びは、教科の知識だけではありません。人間として成長してほしい。生涯の友を作ってほしい。そのために、コロナを乗り越えて高校生活をいかに作り上げてゆくか、学校の総合力が試されると受け止めております。

 高校生活のスタートに当たり、生徒の皆さんに2つのことをお話ししたいと思います。最近は馴染みが薄いかもしれませんが、数学者であると同時に大道芸人としてテレビでも活躍していたピーター=フランクルという人物がいます。彼はハンガリーで生まれ育ちましたが、両親はユダヤ人であり、父親はナチスドイツによる弾圧によって、あのアウシュビッツから奇跡的に生還しました。父親は、幼いピーターにいつも言ったそうです。「ピーターよ、何よりも学びなさい。物ははかない。どんな立派な家も車も、時として理不尽に奪われる。しかし、おまえの知識と知恵は、お前が命ある限り誰も奪うことはできない。お前に知識と知恵がある限り、どんな武器を持つよりも自分を守ることができるだろう」。あの、世界史上の悲劇をくぐり抜けたからこその重さを持って響く言葉です。本校では『生徒を「教わり上手」から「学び上手」に変えよう』としていることは、学校見学会でもお話しさせていただきました。受験や成績といった現実は確かに重要です。しかし、それを突き抜けるような学びを、本校はめざしたいと考えます。

 次に、日本には昔から語り継がれてきた格言が数多くあります。その1つ、「出る杭は・・」。どんな言葉が浮かびますか?「出る杭は」、そう、「打たれる」という言葉が続きます。いかにも日本的で、目立たず、横並びで、「空気を読む」という、翻訳不可能な言葉にも通じる考え方だと思います。私は、出る杭は打つのではなく、伸ばしたいと考えます。ただ、けして誤解してはいけません。わがままを通す。他人を傷つけることに無頓着である。自分勝手にルールを破る。それは、容認されません。他者を踏みにじった自己主張に正当性はありません。いじめなどは言語道断です。私が願うこと。それは、積極的に自分の目標を見つけ、その実現のために挑戦する事であり、たとえ失敗しても、何度でも再チャレンジする生徒を支えることが学校の使命であると考えます。けして他者との比較ではなく、自分自身で納得のゆく自分の道を見つけてほしいと願います。水泳の池江選手が言う、「目標は自己ベスト」、いい言葉だと思います。生徒一人ひとりが本気で挑戦する杭となり、学校中に十人十色の杭が並んでいる。そんな、ダイナミックな学校を理想と考えています。学校法人全体のスローガン、「+ Professional」という言葉を常にイメージしてください。最終的には、自分なりのプロフェッショナルを目指し、実現しましょう。しかし、その前に、どんなプロの道に進もうとも、人として必要な基礎があります。「+ Professional」の「+」には、そうした人間としての基盤となる資質能力の獲得が意味され、高校生活は、そこからのスタートとなります。

 終わりになりますが、本日の入学式に出席いただいた保護者の皆様に心からお祝いとお礼を申し上げます。教職員一同、新入生全員が「北科大高校に来て良かった」と満足感を胸に卒業する日まで、全力で支え続けます。保護者の方々との日常の連携を密にし、いつでも本音で相談しあえる関係を作り上げたいと願っております。私も一人の親として子供の高校生活を見守り、親子の距離感の難しさを痛感しました。「高校生になったのだから、自分で判断して行動できるようになってほしい」という期待感。その一方で、「言うことは一人前になってきたけど、やることは相変わらず子供のままだな」という現実感。その狭間で、どこでバランスをとるべきか悩んだことを思い出します。そんな場面に出会った時、ある時は担任や部活動の顧問と、ある時は親同士で、本音で語り合えることが安心感や新たな視点を与えてくれます。そんな関係を作り合える学校となることを願っておりますし、努力したいと考えております。

 改めて新入生の皆さんに伝えたい。高校生までは、あらゆる面で人間としての基礎が形成される時期です。部活動に例えれば、全てが練習試合です。負けてもいい。しかし、負けから何を学ぶのか。負けたままでは終われないと本気で思えるのかが本当の勝負です。皆さんが北海道で育った若者らしく、スケールは大きく、懐は深い人間となり、自己ベストを目指し続けることを祈って、入学に当たっての式辞と致します。

 

                           2021年4月7日

                              北海道科学大学高等学校長

                               橋 本 達 也

 

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