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2026年03月01日

第68回卒業証書授与式 式辞

第68回卒業証書授与式における校長の式辞を公開いたします。

 式  辞

 本日ここに、第68回北海道科学大学高等学校卒業証書授与式を挙行するに当たり、中保会長をはじめとするPTA及び後援会役員の皆様、高橋会長をはじめとする同窓会役員の皆様、そして学校法人から苫米地理事長をはじめとする役員と各設置校の学長・校長のご臨席を賜りました。また、保護者の皆様には、会場の関係で一家族2名までと制限させていただきましたが、ご協力いただき心から感謝申し上げます。

 本日、卒業証書を授与される普通科275名の生徒と保護者の皆さんに心からお祝いを申し上げます。

君達はこの新校舎に入学する第一期生として高校三年間を過ごしました。多くの方々から、「とても学校とは思えない斬新さ」と評価されたこの校舎。吹き抜けの解放感、教室はもちろん体育館まで冷房がきいた快適さ。昼休みや放課後のフリースペースでの自由なひと時。大学と一体となったキャンパスライフ。そうした恵まれた生活環境を存分に生かして、高校生活を充実したものとすることができたでしょうか。先程、特別表彰と皆勤賞を伝達しました。自主自律を目指した高校生活の創造・進路希望実現に向けた学び・より高いレベルを求めた部活動、日々の学校生活を積み重ね、素晴らしい成果を挙げてくれたと思います。今週末には、国公立前期入試の発表がいよいよありますが、多くの生徒に桜が咲くことを祈っています。しかし、残念ながら、努力を重ねたにもかかわらず、望む結果を手にすることができなかった生徒もいるでしょう。また、努力すること自体をどこかで諦めてしまい、今は後悔している生徒もいるだろうと思います。

忘れてならないことは、君達の人生はまだまだ始まったばかりだという事です。君達の高校生活が充実したものであったならば、これから更に、より高く、より遠くまで君達の挑戦の旅は続くでしょう。逆に、自分の高校生活に何らかの後悔があるとするならば、その記憶を持ち続ける限り、新たな挑戦を継続する力となるでしょう。

先月、イタリアで開催された冬季オリンピックで多くの日本人選手が活躍しました。本校OBである島川君は、デュアルモーグルで第4位という、残念ではありますが素晴らしい結果を出し、我々を大いに盛り上げてくれました。選手それぞれが試合結果に様々な感情を爆発させる一方で、心はすぐさま次のステージに向かっていることが印象的でした。何事かを成し遂げる人というのは、そうした気持ちの切り替えができる、自分の気持ちをコントロールできる人だと改めて気付かせてくれます。

三年前の入学式で、私が話したことを覚えてくれている人はいるでしょうか。遠いアフガニスタンで人々の生活を支え続け、英雄とまで言われて慕われながら、志半ばで凶弾に倒れた中村哲さんの話を紹介しました。医者としてアフガニスタンの人々の治療を続ける中で、彼らの生活の根本的な改善のために自らパワーショベルを運転して用水路を作ることを選択した中村さん。中村さんの話をしたのには、自分たちが生きてゆくこれからの社会では、何が必要とされるのか、社会から求められる仕事はどのように移り変わってゆくのかを考えられる人になってほしいという願いがありました。本校は、生徒が自らの道を自らの判断で選択する事を重視し、そうした機会を数多く用意してきたつもりです。自分に何ができるのか、何がしたいのか。それを明確に理解することは決してたやすいことではありません。「どうしたらいいかわからないから、その場に立ち止まり続ける」より、「まずは選択して、やってみる」。「選択したら、一定の結果が出るまではやり切る」ことが大切だと思います。君達は中学時代をコロナ禍の中で過ごしました。あの頃、私は生徒達に、「『何ができないか、何が足りないか』をどれだけ語っても現実は何も変わらない。『何ができるか、何が使えるか』を探ることから可能性は開ける」と語り続けたことを思い出します。今もコロナはしぶとく存在していますが、コロナ禍と呼ばれた状況は消えました。しかし、不自由さが消えた分、「少しでも満足できることがしたい」というアグレッシブな気持ちも弱まってはいないでしょうか。

4月から系列大学で学生生活を始めるのはコンカレント生80名に加え、総合型や一般受験を含めると100名に迫ると思います。コンカレント二期生となる皆さんは、高校生でありながら大学での学びに日々参加するという未知の世界に飛び込みました。様々な困難に出会いながらも、昨年の一期生を上回る単位取得率85%の成果を挙げてくれたことに安堵しています。進路選択や大学生活の様々な面で先輩達に相談に乗ってもらったり、面倒を見てもらった人が多かったと思います。是非とも、その恩は、後輩達に返してやってください。大学での学び方だけでなく、それ以上に高校での学びの大切さ、しっかり身に付けておくべき分野を伝授してあげることが最大の貢献となります。

4月から一足早く社会人となる皆さん。それぞれ、自分の目指す道を明確に決めて結果を勝ち取った事に拍手を送ります。もし、いつまでも社会に出ることから逃げている同級生を見つけたら、大人の世界の魅力を語ってやってください。人生初めての一人暮らしを始める人もいます。本当に貴重な、そして、恵まれた経験です。自分の衣食住を自分でコントロールできることは、自立した生活のスタート地点です。自活できる人間が良きパートナーを見つけた時、1+1が2以上の実りをもたらしてくれるでしょう。

改めて、保護者の皆様にお祝いと感謝を申し上げます。三年間にわたり、本当にお世話になりました。皆さんにとっても、様々な喜びとご苦労が積み重なった三年間であったろうと推察いたします。校舎の移転によって、徒歩での高校通学が可能となった生徒もいれば、公共交通機関を何度も乗り換える長距離通学を余儀なくされた生徒もいて、特に、冬場の天候急変に気をもむことも多かったのではないでしょうか。我が子を15歳にして親元から離す決意をされた方、先が見えない不安を抱えながら進路に立ち向かうお子さんを見守り続けた方、休日返上で練習する部活動にお子さんを送り出し続けた方。保護者の皆さんの支えがあったからこそ、本校の活動が何とか継続できたと感謝しておりますし、生徒達も言葉に出さずとも、親への感謝を胸に秘めていると思います。毎日の弁当作り、本当にお疲れさまでした。弁当作りが必要なくなった家庭学習期間に、安堵とともに一抹の寂しさも感じられたのではないでしょうか。 井上学年主任をはじめ9名の担任団はもとより、教職員一同、三年間に渡って保護者の皆様とお付き合いさせていただいたことに、心から感謝しております。これからも、末永く本校をご支援頂けるよう、お願い申し上げます。

 卒業生の皆さんの大いなる飛躍を、また、今後は、皆さんを含めて26,535名を数える同窓生の一員として、母校と後輩を何時までも応援してくれることを期待して、式辞といたします。

              

2026年3月1日

                  北海道科学大学高等学校

                   校 長  橋 本 達 也