第71回入学式 式辞
第71回入学式における校長の式辞を公開いたします。
春の訪れを覚える今日の佳き日に、中保会長をはじめとするPTA・後援会役員の皆様、 高橋会長をはじめとする同窓会役員の皆様、そして学校法人から苫米地理事長をはじめとする役員と各設置校の学長・校長の皆様、多くの保護者の方々をお迎えし、第71回北海道科学大学高等学校の入学式を挙行できますことを厚く御礼を申し上げます。
保護者の皆様、お子様が本日、晴れて本校の生徒として新たなスタートを切られましたことをお祝い申し上げます。
今日まで慈しみ育ててこられたお子様の制服姿に喜びもひとしおのことと拝察いたします。
ただいま入学を許可いたしました303名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。 在校生、そして私たち教職員一同、皆さんの入学を心から歓迎します。
本校は昭和31年の創設以来、時代の要請に応え、校名や学科の改編を重ねながら歴史を紡いできました。そして令和5年、ここ手稲区前田の地、北海道科学大学と同じキャンパスに移転し、高大一体教育を軸とした「新たなステージ」へと進化を遂げました。 このキャンパスで過ごした今春の卒業生は、大学との連携という利点を最大限に活用し、 北海道大学をはじめとする国公立大学に42名、北海道科学大学をはじめとする私立大学に311名が合格するなど、自らの意志で未来を切り拓き、力強く羽ばたいていきました。 今、皆さんの周りにいる人たちが、これから共に汗を流し、喜びを倍に、辛さを半分にしてくれる仲間です。これから始まる三年間、この出会いは皆さんの人生において一生の宝物になると、私は確信しています。 ここにいる全員に、学ぶ権利があり、幸福になる権利があります。 自分を大切にするのと同じように、隣にいる仲間のことも、どうぞ大切にしてください。
さて、皆さんと「今」と「少し未来」の話をしたいと思います。 現代は、変動性が高く、不確実で、複雑かつ曖昧、将来の予測が極めて困難な時代です。 世界に目を向ければ、東欧や中東での紛争が国際社会に暗い影を落とし、国内でも人工知能(AI)の急速な進化によって、私たちの生活や雇用環境は劇的に変わろうとしています。 2040年には理系人材が大幅に不足し、既存の文系職種が余剰するという予測もあります。 これだけを聞くと、未来に不安を感じるかもしれません。 しかし、私はそうは思いません。 予測が困難な時代ということは、裏を返せば「皆さんが自らの手で、いくらでも未来を塗り替えられる」という、無限のチャンスが広がっている時代だということです。
このような時代に、皆さんの「夢」と「未来」をつなぐために、私たちは何を提供すべきか。 本校は、工学・薬・医療・情報・社会系など幅広い学びを有する北海道科学大学とキャンパスを共にしています。2027年には文系学部である地域創造学部の新設も予定されています。最先端のAIや半導体の研究が行われている大学と「一体」となって学ぶ環境は、新たな「知」を生み出すために、これ以上ない最高のステージです。 北海道で唯一の「(大学授業の早期履修)コンカレントプログラム」や「高大接続プログラム」など、本校にしかない未来志向の学びの仕組みを、皆さんの好奇心というエネルギーで、存分に活用してください。
この環境の中で、皆さんには、スクールミッションである「主体性・多様性・社会性」を大切にし、本校が定義する5つの資質・能力の獲得を目指してほしい。 自らの意思で、主体的に行動し続ける力:「自立自走力」、失敗や困難に負けず最後までやり遂げようとする力:「粘り強さ・グリット」、多様な他者と調和し共に新しいものを生む力:「共生力」、自由な発想で、喜びを感じながら学びに取り組む姿勢:「遊び心」、自ら問いを立て粘り強くその答えを追い求める力:「探究力」。 これら5つの力を磨き、失敗や困難を恐れずに前進できる:「挑戦し続ける人」、多様な価値観を尊重し、対話を通じてより良い関係を築ける:「自他を大切にする人」、学びそのものを楽しみ、問いを立て、考え続ける喜びを知る:「科学する心を持つ人」へと成長してほしいと願っています。 これらを支えるのは、本校の校訓「至誠一貫」です。最後まで誠意を貫き、真心をもって何事にも立ち向かう。この精神を胸に、不確実な時代を生き抜く力を、 この三年間で自ら作り上げてください。
新入生の皆さん、今日からの三年間は、皆さんの人生という物語の、非常に重要で輝かしい一章です。その主役は、他の誰でもない皆さん自身です。 保護者の皆様、本日入学した生徒たちには、計り知れない可能性が秘められています。 私たち教職員一同、一人ひとりの多様な個性を尊重し、その可能性を大きく花開かせて社会へ送り出すために、全力を尽くすことをお約束いたします。 ご家庭におかれましても、お子様の成長を温かく、時には厳しく見守っていただくとともに、本校の教育活動へのご理解とご協力をお願い申し上げます。
結びに、新入生の皆さんが、今日の感激と決意を忘れることなく、心身ともに健康で活力ある高校生活を送ることを心から期待し、また、ご来賓並びに保護者の皆様のご支援とご厚情に感謝申し上げ、式辞といたします。
令和8年4月8日
北海道科学大学高等学校
校長 田尻 勝敏